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Daily Musing...

こんにちは、牧田裕介です。

2013年9月~2014年5月の9ヶ月間、スイスの組織設計事務所(Burckhardt + Partner SA)にて、インターン生として働いています。

仕事や生活の様子・出来事・所感などなどのログを何かしら残したいなと思い、せっかくなのでWebページを作ってみました。

"Tweet" と "Diary" の中間くらいの意気込みで書いていこうと思います。

Looking back


Yusuke Makita  1 Nov 2013

 

 

もう11月に入ってしまった。インターンが始まってからちょうど2ヶ月経ちました。

 

 

振り返ると、スイスのゆったりとした時間の流れに身を任せすぎてるかなと思う。

 

勝負の年だとか言って来たはずなのに、

スイスの働くスタイルに拍子抜けしたとこから始まり、

言語の問題にとらわれ過ぎ、

マダムとオクサンとの心が洗われるようなしがらみのない生活も大事だという口実のもと、

落ち着いた生活を送ってきました。

 

 

別に後悔はしてない。

 

実際、日本での生活を振り返って、窮屈な考えで暮らしてたなと思える程度には、

気持ちにゆとりを持てた。

 

それは忙しさに関わらず持っているべき余裕だと思う。

 

 

しかししかし、

 

今スイスという自分の人生の中では至極貴重な環境にいて、しかも自由に使える時間のある中で、

残り7ヶ月をどう過ごすかってのは一度考えよう。

 

同時に、というかまず、もっと根本的なことについても考えを深めたい。

しなっちさんに言われたように、文字化するところまでチャレンジしよう。

 

 

 

 

さて、今日のこと。

 

朝8時半から、チームを組んでるLandscape Architectsが来てミーティングがありました。

 

こないだManagerのダニエルに、もっと外部とのミーティングに参加したいと伝えといてよかった。

 

何について話してるか程度しかわからなかったけど、

今何が問題で何を決めないといけないかなど、リアルな現状がつかめた。

 

で、ずっと気になってたカフェテラスの曖昧さを指摘したところ、

ボスは納得してくれて解決策を考えてくれてたけども、

ダニエルには言い負かされてしまった。

 

彼めちゃくちゃ頭がいいから、たぶんその場で考えた何となくそれっぽい理由を並べてくる。

 

最終的には、もう何度もスタディしたから、と言われ、

その時いなかったおれとしては、そうですか、としか言えなかった。

 

けどやっぱ納得しきれないな。

カフェに搬入も何もあるのか?

 

ま、あるならそれまでだけど。笑

 

 

 

 

仕事後に、名門ローザンヌ工科大学(EPFL)にある図書館で利用者登録してきました。

 

この建築は、日本人建築家ユニットのSANAAが設計したもので、現地でもとても有名。

 

 

ちなみに、スイスでは大学は希望すれば誰でも入れます。

入試とか何?って感じです。

 

でも卒業するのが大変で、EPFLクラスになると8割ぐらいはやめてくとか。

一年目は特にツラい科目がたくさん配当されるようになってるらしい。

 

 

てことで図書館では、京大で言う試験前の状態、ってのは言い過ぎたけど、

とりあえず大勢の人が勉強していました。

 

 

来るまでもウキウキだったけど、いざ登録を済ませて本棚をまわり出したらもう、

全部読んだろかと思うほど、やる気がみなぎってきました。

 

 

さすが、お札にも載るほどの有名人、コルビュジェの本がいっぱい。

コルビュジェ × 車、的な本が面白そうだったので読んだら、

建築家と車の関係、車の歴史あたりもちょっと勉強できた。

 

ECOLOGICAL CITY PLANNINGっていうハーバードが出してる本も冒頭だけ読んで、

絶対読もうと決意し、

でも重いから借りるのはやめ、

住宅関連の本と設計手法の本を借りてみました。

 

期間は基本1ヶ月で、予約がなければ自動的に延長されるそうです。

 

 

 

学問のススメを読んでる刺激もあって、

とりあえずこっちで身につけられるものは最大限吸収できるようにと、

意気込んでいる牧田でした。

 

いつまで続くかな?笑

 
Nov 2013
Bern


Yusuke Makita  2 Nov 2013

 

 

スイスの首都であり、街全体が世界遺産に登録されているBernに、日帰りで行ってきました。

 

うちからだと、電車で一時間ちょっとで行けてしまう。

 

 

お目当ては、Paul Kleeセンターとリベスキンドのショッピングセンター。

 

ただ、ベルンの街並が予想以上にすてきでした。

正直ちょっとなめてた。

 

 

川が湾曲しているところに栄えた、パリのような地形だけど、

もっとコンパクトで、街の景観もまた異なる。

 

 

ヨーロッパの魅力的な都市をみると、京都の鴨川もそうだけど、

友達やカップル、一人でも黄昏れられるような水辺空間の整備ってやっぱ大事でないかな。

川だけでなく海や湖も含め。

 

人や車や建物で溢れる都市にあって、視線を落ち着かせられる場所が街の魅力を高めるんじゃないかな。

焦点を合わせずぼーっとできるという意味では、高台からの眺めも同じ効果があるか。

視界が広がる場所。

 

 

清水には水辺で落ち着ける場所というと、三保松原の一部や小島あたりの山奥しかないな。

 

巴川ぐらいの幅があれば、十分効果的に使えると思うんだけどな。銀座商店街とも繋がるし。

ただ、まずは水をきれいにしないと。w

 

 

水辺の環境以外にも勉強になったことは多くて、

歩車共存、トラム・バスなどの公共交通、自転車のためのインフラ普及、ノードとしての泉が点在、メインストリートに面した一階部分をセットバック→歩道として解放、街路から半地下部屋へ降りる階段、など。

 

かなり感動した。

今まで訪れた都市では一番気に入ったかもしれない。

 

 

お目当ての建築はそんなに好きにはならなかったけど、

Paul Kleeの作品を生であれだけ大量に、しかも時代を追って見れたのは最高でした。

 

 

早稲田入試でデッサンがあったからちょっとかじったけど、

もう一度しっかり勉強したくなった。

 

 

うん、楽しみ楽しみ。

 
susume


Yusuke Makita  9 Nov 2013

 

 

独立して生計を立てるのは一生の大事、「汝の額の汗をもって汝の食を喰らえ」というのは古人の教えですが、私の考えでは、この教えを忠実に実行したからといって、まだ人間の務めを果たしたとは言えません。

この教えは、人間が禽獣に劣らないようにしようという、ただそれだけのことを言っているにすぎません。

 

見てごらんなさい。禽獣魚虫、自力で食べ物を得ていないものはありません。

単に食べ物を手に入れてその時満足しているだけではなくて、蟻などは、先のことまで考え、穴を掘って巣を作り、冬に備えて食料を蓄えているではありませんか。

 

世の中には、この蟻の行いと同じことをして満足している人がいます。

 

 

(学問のすすめ、福沢諭吉)

 

 

これに続く章で、

じゃあ何をすればいいのか

=社会に貢献し、生きた証を残しなさい

というようなことを説いてます。

 

 

内容に関しては、まさにその通りだと思うし、自分の分限をわきまえつつ常に意識してこうと思う次第です。

 

 

本文を引用したのは、この本がなぜ当時爆発的に流行し、百年以上経った現代でもなお読まれているか、

の一つの理由として、わかりやすく説得力のある、言い回し・言葉の選び方、っての大きいだろなと思ったので。

 

 

社会に貢献するには、言葉で伝える技術は必須ですね。

 
traveling


Yusuke Makita  10 Nov 2013

 

 

この土日は、個人的に出そうとしてるコンペのために会社にこもって作業。

 

outputはinputを伴うね。

すごくいい勉強になるし、一から設計できるからリフレッシュになる。

 

 

さて、我が社にはなんと、二週間のクリスマス休暇があります。

そこで、スイス国内を時計回りにまわる計画中。

 

クリスマスの集まりもあったりして、旅行は実質一週間ぐらいだけど、

行きたい街や建築をできるだけ見尽くしたい。

 

 

ほんとはイタリアのベネチアまで行こうと思ってたけど、案外厳しそうなので

 

再来週の金曜の夜行列車で出発し、日曜の夜帰ってくるという弾丸ベネチア旅行を試みます。

 

 

楽しみやな!

 

 
CAD


Yusuke Makita  16 Nov 2013

 

 

AutoCADってすごく便利なツールなんだね。

イラレで図面書いてたのがなつかしい。

 

今週のお仕事

・全部屋の詳細(床や壁の構造、仕上げ材、ドア、窓、電気、などの種類)をエクセルでまとめる

・ドア・窓の種類を平面図上で色分け

パースに描き込んで各部屋のlightingのスタディ

・Sectionの加工

 

いやー、それぞれ学ぶことが多かった。

 

CAD技能、知識、それとlightingでは感性的な面の訓練にもなった。

 

 

ただ黙々と図面を描いてる時間は、とくに楽しくはないことが判明。w

 

あー、おれコモディティ化してるなー

とか思いながらも、徐々にいろんなコマンドが使えるようになるのはうれしかったりする。

 

 

昨日は韓国のローカルアーキテクトに書類送らないといけないとのことで、

3人で21時ぐらいまで作業。

 

終わってから、久しぶりにダニエルと一緒に帰ることに。

 

 

ダニエル:今年はバカンスというバカンスはなかったなー。記録に残るほど働いた年だ。

 

ぼく:でもこないだ2週間も韓国旅行してたじゃん。夏はバカンスなかったの?

 

ダニエル:夏は一週間ドイツ行ったぐらいだね。

 

ぼく:え、いいじゃん!十分だと思うけどなー。

 

ダニエル:いや、なんというかリフレッシュにはなったんだけど、リラックスって感じではないんだよ。

     バカンスってのはやっぱ、ぷはーっとリラックスするもんだから。

 

(以上、意訳)

 

 

まあ、わかるようなわからんような。笑

 

B+Pの中ではダニエルは仕事人間だと思ってたから、

働きすぎてることに愚痴ってたのはちょっと意外だった。

 

 

その後も長いこと話す時間があって、楽しかった!

 

 

今週はいろんな人とゆっくり話す時間がとれて、またちょっとずつ距離が縮まってきてる気がする。

 

ただ、昼飯時の大人数でのフランス語トークはまだコワイ。笑

 

 

写真は、

朝10時ごろ、ティータイム時のオフィス。初公開。

みんなカフェテリア行ってます。

 

それと会社の目の前にスケートリンクができそう。そわそわ。

 

 

 

 
Ignacio day


Yusuke Makita  17 Nov 2013

 

 

今日は朝から会社で隣同士のIgnacioに誘われ、サッカーしてきました。

 

いつもダニエルばっか登場するけど、イグナシオ(以下、ナシオ)もかなりの重要人物。

てか会社で一番仲の良い友達。

 

簡単に紹介すると、

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身で31歳ぐらい。

イタリア人とマレーシア人から生まれたアメリカ出身の父親と、アルゼンチン生まれの母親を持つ。

そして今はスイス人の彼女と暮らしてて、たぶん結婚するから子どもはスイス生まれ。

趣味はアンティーク家具集めとパズルとサッカー。

めちゃめちゃフレンドリー。

 

そんな彼と一緒にグランドに向かうと、20人近くいました。

 

聞くと、日本を入れて9カ国からの猛者が集ってるとのこと。

しかも20代から50代まで。

イタリア、ポルトガル、スペイン、アルゼンチン、フランス、、、

 

え、強そうww

 

恐れ多くもボランチをナシオと一緒にやらせてもらえることに。

 

 

結果、3アシストの5-2で勝ち!(90分休憩無しのぶっ通し)

 

 

ほとんどのビルドアップに絡めたし、楽しかったー

 

ほぼ全員と初対面だったけど、パス一本交わすだけでなんか距離が縮まる気がするんよね。

 

サッカーを通しての出会いとか交流ってのも、なかなか素敵だね。

 

 

 

終わってから、ナシオの家にお邪魔してきました。

 

そこで2時間ぐらい話し込んで、コーヒー二杯もいただいてしまった。

 

リマインダー代わりに、話したことまとめとこ。

 

・年末で会社やめて、二ヶ月間アルゼンチンに帰って家族と旅行する。終わったらまたローザンヌに来て、違う仕事をする。まだ探してないけど。え大丈夫?w

・時には環境を変えることも必要。(たぶん会社の中であまり実力を認められてない状況にあるんやと思う)

・いろんな国の文化の中で過ごして、自国とその国の共通点、相違点を知を知りたい。

・たとえば、スイスは給料が高い、つまり人件費が高い。けど、発展してる技術を用いるのは安い。それは建築の分野だけでなく。逆にアルゼンチンでは人件費は安く、テクノロジーの導入はハードルが高い。

・従兄弟がアニメ好きで、アニメグッズ通信販売のサイトを立ち上げて成功。ちなみに来年一月に結婚するけど、なんかいいプレゼントないかね。

・ニコラ(上司)に意見を述べる時は、図を示しながら説明するべき。彼はそういうのが好き。

・建築の設計ではいくら現実的な問題に追われても、哲学的、コンセプチュアルな視点を大事にするべき。B+Pではニコラという建築家のおかげでそういう雰囲気がある。

・来年の夏、彼女と日本も含めてアジア旅行行くかも。まだ見ぬアジアの文化に触れてみたい。桂離宮も行きたいね。

 

 

 

てかよく考えるとナシオ31歳なんだよね。

敬語って概念のない人間関係に慣れてきてしまってる気がする。。

 

 

ちなみに日本語ぺらぺらの同僚、アントワーヌさんには、「さん」が付くんよね。

でも誰かを交えて、英語かフランス語で会話する時は、「アントワーヌ」って呼ぶ。

朝の挨拶は、「サリュー!アントワーヌ」か、「おはようございますアントワーヌさん」。

 

むずいww

 

 

敬意は持ちつつ、変にかしこまり過ぎるのもよくないなと思い、

最近は敬語でフレンドリーにいくことにしてます。

 

 

 

 

てことで、良い週末でした。^^

 

 
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